笠岡市は近く、笠岡湾干拓地の市有地(3・8ヘクタール)に県内初となるメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する事業者を決定する。市はメガソーラーを環境と共生する農業のシンボルに位置づける。7月に太陽光発電などの電力を電力会社が全量買い取る制度の開始を前に、県内でも太陽光発電の導入が本格化しそうだ。【井上元宏】
 建設予定地は同干拓地の西端の用水路沿いに約2キロ続く幅20メートルの草地。細長くて使い勝手が悪いが、メガソーラーなら太陽光パネル8000枚程度を連ね、一般家庭600戸分を賄える出力2000キロワットの太陽光発電所建設が可能だ。
 関係者によると、全国でメガソーラー立地を計画する太陽光システム販売会社など複数の業者が立地の意向を県や笠岡市に伝え、既に事業計画書を提出した業者もいる。県が審査し、その後、笠岡市が地域貢献の取り組みなど提案の内容を判断して業者を決める。


干拓地は、遠浅の干潟を農地にしようと66年に着工、90年に完成した。約1800ヘクタールの面積は農業用干拓地で国内2番目の広さを誇る。野菜や酪農など約240の農家・農業法人が営農するが、近年は土地を手放すところも増えているという。
 干拓地の農業は規模が大きく、牛舎の冷暖房で大量の電気を使い、農業排水は水質汚濁も招いている。同市は麦わらからガソリンの代替燃料を作るなど循環型農業による農産品のイメージアップを構想。トップセールスでメガソーラー誘致に取り組んだ高木直矢市長は「多くの業者が関心を寄せてくれた。太陽光など再生可能エネルギーを干拓地に広げたい」と期待している。
 ◇災害時の非常電源 屋根設置広がる
 東日本大震災後、新エネルギーが注目され、工場などの屋根に太陽光パネル設置が広がっている。県内の企業から「災害時の非常用電源として有効」という声も上がる。
 瀬戸内市のベネッセ・ロジスティクス・センターの屋根には太陽光パネル3456枚がずらりと並ぶ。担当の大枝宏之さん(46)は「パネルが太陽光を吸収し、夏場の室温が1・5度下がった。一石二鳥です」と笑う。
 10年に設置し、出力は720キロワット。工場の使用電力の3分の1を賄い、休日に電力が余れば中国電力に売る。それでも、節約できた電気代で投資を回収するのに約20年。通常は5年程度だが、企業イメージを向上させる効果も期待できる。
 大震災の後、自前の電源として太陽光パネル設置を考える企業の見学も増えた。大枝さんは「原発事故でこれから電気代も上がる。災害時の事業継続のためにも自家消費用の太陽光発電の導入は進むでしょう」と話す。【